キャリアアップ助成金
補助金の概要
| 制度名 | キャリアアップ助成金 |
|---|---|
| 実施主体 | 厚生労働省 |
| 対象事業者 | 有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者の正社員化やキャリアアップに取り組む事業主。キャリアアップ計画書を管轄労働局長に『提出』すれば取り組みを開始できる(以前は『認定』が必要だったが、現在は提出のみで手続き完了) |
| 補助上限額 | 正社員化コースは1人あたり最大800,000円(第1期40万円+第2期40万円。第2期は重点支援対象者を正社員化した場合のみ)。それ以外は第1期の400,000円のみ |
| 補助率 | 正社員化コース:定額(重点支援対象者の有無で第2期の支給可否が決まる) |
| 申請期間 | 通年。各期は要件達成から6か月経過後に申請 |
| 補助対象経費 | 正社員化コース/賃金規定等改定コース等/外国人介護職員の正社員化にも活用可能 |
| 公式情報源 | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133765.html |
年度ごとに改定があるため、申請前に必ず公式情報を確認してください。
キャリアアップ助成金 介護 外国人 正社員化 完全解説【2026年最新】
千葉県内で外国人介護職員を雇用している、あるいはこれから採用を検討している施設経営者の方へ。本記事では、厚生労働省が実施する「キャリアアップ助成金(正社員化コース)」を活用して、有期雇用の介護職員を正社員化した場合に1人あたり最大800,000円を受け取る方法を解説します。外国人介護職員にも適用可能で、定着促進と人件費負担の軽減を同時に実現できる制度です。5分で「自施設で使えるか」を判断できる構成にまとめました。
この補助金で分かること
- キャリアアップ助成金の対象施設・対象労働者の要件
- 正社員化コースで受け取れる金額と支給スケジュール
- 外国人介護職員(技能実習・特定技能等)への適用可否
- 申請の流れと、つまずきやすいポイント
補助金の概要(早見表)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | キャリアアップ助成金(正社員化コース 他) |
| 実施主体 | 厚生労働省(管轄労働局・ハローワーク) |
| 対象事業者 | 有期雇用労働者・短時間労働者・派遣労働者の正社員化やキャリアアップに取り組む事業主 |
| 補助上限額 | 正社員化コース:1人あたり最大800,000円(第1期40万円+第2期40万円) |
| 補助率 | 定額支給(重点支援対象者の有無で第2期支給可否が決まる) |
| 申請期間 | 通年(各期は要件達成から6か月経過後に申請) |
| 情報公表加算 | 令和8年4月8日新設・1事業所20万円(自社サイトまたは「しょくばらぼ」での公表が要件) |
| 公式URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133765.html |
どんな介護施設が対象になるか
キャリアアップ助成金は業種を問わず利用できる助成金ですが、介護施設での活用事例も多数あります。特に外国人介護職員の正社員化を進めたい施設にとって有力な選択肢です。
対象になる施設の例
- 特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、デイサービス、訪問介護事業所など、雇用保険適用事業所であること
- 有期雇用契約の介護職員(日本人・外国人問わず)を雇用している
- キャリアアップ計画書を管轄労働局長に「提出」している(※後述)
- 就業規則等に正社員転換制度が定められている
- 正社員化後6か月分の賃金を、転換前6か月分より3%以上増額して支給している
対象外になりやすいケース
- そもそも雇用保険に加入していない労働者を正社員化したケース
- 正社員転換の前後で賃金が3%以上増額されていないケース
- 申請期限(要件達成日の翌日から2か月以内)を過ぎてしまったケース
- 過去3年以内に同一の労働者について本助成金を受給しているケース
なお、外国人介護職員についても、在留資格が「介護」「特定技能」「特定活動(EPA介護福祉士候補者)」等で正社員雇用が可能な区分であれば対象になります。技能実習生は在留資格上「正社員化」の概念と整合しないため、原則として在留資格を切り替えた後に活用するのが一般的です([要確認_技能実習生の取り扱い詳細])。
いくらもらえるのか(試算例)
正社員化コースの基本支給額は以下のとおりです。
- 第1期:正社員化から6か月後に400,000円
- 第2期:さらに6か月後に400,000円(重点支援対象者を正社員化した場合のみ)
- 情報公表加算:1事業所あたり200,000円(令和8年4月8日新設)
試算例:100床の特別養護老人ホームで外国人介護職員3名を正社員化した場合
- 3名全員が重点支援対象者に該当:400,000円 × 2期 × 3名 = 2,400,000円
- 情報公表加算:200,000円
- 合計:2,600,000円
重点支援対象者に該当しない場合でも、第1期だけで400,000円 × 3名 = 1,200,000円を受け取れます。「重点支援対象者」の具体的な範囲(雇用期間や年齢などの条件)は年度ごとに細かく定められているため、申請前に最新の支給要領を必ずご確認ください([要確認_重点支援対象者の最新定義])。
補助対象になる経費の範囲
キャリアアップ助成金は「経費補助」ではなく「定額の助成金」です。つまり、設備購入費や研修費用といった個別経費に対する補助ではなく、正社員化という取り組みそのものに対して定額が支給されます。
- 正社員化コース:有期→正社員、無期→正社員などの転換
- 賃金規定等改定コース:有期雇用労働者等の基本給を3%以上増額改定した場合
- 賃金規定等共通化コース:正社員と非正規の賃金規定を共通化した場合
- 諸手当制度共通化コース:賞与・退職金・各種手当の共通化
- 短時間労働者労働時間延長コース:週所定労働時間の延長
外国人介護職員の正社員化にも問題なく活用できますが、在留資格の更新・変更スケジュールと正社員化のタイミングを揃える設計が必要です。
申請の流れ(5ステップ)
実務上のフローを5段階に整理します。
- 要件確認・キャリアアップ計画書の作成:自施設で正社員化が可能か、就業規則・賃金規程を確認します。
- キャリアアップ計画書を労働局へ提出:取り組み開始日の前日までに管轄労働局長に「提出」します。【重要】以前は労働局長の「認定」が必要でしたが、現在は提出のみで手続き完了です。認定通知を待つ必要はありません。
- 正社員化の実施:就業規則に基づき正社員へ転換し、転換後6か月間、3%以上増額した賃金を支給します。
- 第1期の支給申請:正社員化から6か月経過後、翌日から2か月以内に申請します。
- 第2期の支給申請(該当者のみ):第1期支給対象期間の末日からさらに6か月経過後、翌日から2か月以内に申請します。
申請から支給まではおおむね1年を見込んだ資金繰り計画が必要です。「数か月で入金される」と誤解されがちですが、第2期分まで含めると正社員化開始から入金完了まで1年半以上かかるケースもあります。
申請でつまずきやすい3つのポイント
- 「計画書は提出のみでOK」を知らずに認定待ちで止まってしまう:以前の制度の名残で「認定通知が来てから取り組み開始」と誤解する経営者が後を絶ちません。提出後すぐに正社員化を進めて問題ありません。
- 第2期の支給要件「重点支援対象者」の確認漏れ:第2期の400,000円は重点支援対象者を正社員化した場合に限られます。「全員に2期分が出る」と試算してしまうと資金繰りが狂います。
- 賃金3%増額の計算ミス:基本給だけでなく、定額で支払われる諸手当を含めた「対象賃金」で比較する必要があります。賞与は含めません。賃金台帳と転換前後の比較表の整合性が崩れると不支給につながります。
コースが複数あり、要件も細かいため、社労士に相談しながら進めるのが最も安全です。
申請を相談できる専門家
キャリアアップ助成金の申請代行は社会保険労務士の独占業務です。外国人介護職員を絡めた申請では、在留資格管理を行う登録支援機関との連携も欠かせません。
- 補助金の申請代行に強い社労士比較:キャリアアップ計画書の作成、就業規則の整備、賃金規程の見直しまで一括対応
- 外国人介護人材の受入支援に強い登録支援機関比較:特定技能外国人の在留資格管理と正社員化スケジュールの調整
千葉県内には介護分野に強い社労士事務所も増えており、初回相談無料の事務所も多くあります。
この補助金と一緒に使える他の補助金
キャリアアップ助成金は他の助成金・補助金との併給が比較的しやすい制度です。千葉県内の介護施設で外国人介護職員を雇用している場合、以下の制度を組み合わせると効果的です。
- 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース):外国人労働者の就労環境を整備した場合に最大720,000円。多言語マニュアル整備や苦情相談体制の構築と組み合わせると相乗効果があります。
- 千葉県外国人介護職員定着促進事業補助金:定着支援に対して1人あたり150,000円。正社員化と並行して定着施策に取り組むことで申請可能です。
- 船橋市外国人介護人材受入促進事業補助金:船橋市内の施設なら1人あたり最大500,000円。市町村独自制度との併用で受給総額を大きく増やせます。
その他、千葉県内で活用できる外国人雇用関連の制度は、千葉県の介護施設が使える外国人雇用補助金 全制度まとめにまとめています。
まとめ
キャリアアップ助成金は、有期雇用の介護職員(外国人を含む)を正社員化することで1人あたり最大800,000円、さらに令和8年4月8日新設の情報公表加算で1事業所あたり200,000円を受け取れる、介護施設にとって非常にインパクトの大きい制度です。
ポイントは3つ。
- キャリアアップ計画書は「提出」のみで手続き完了。認定を待つ必要はない。
- 第2期の40万円は重点支援対象者を正社員化した場合のみ支給される。
- 申請から入金までおおむね1年を見込んだ資金繰りが必要。
外国人介護職員の正社員化を検討している千葉県内の施設にとって、本制度は必ず押さえておくべき制度です。要件が細かいため、社労士への相談から始めるのが安全な進め方といえます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 申請はいつから可能ですか?
A. 通年で受付しています。ただし支給申請は、第1期は正社員化から6か月経過後、第2期はさらに6か月経過後に、それぞれ翌日から2か月以内に行う必要があります。
Q2. 必要書類は何ですか?
A. キャリアアップ計画書、就業規則(正社員転換制度が明記されたもの)、賃金台帳、出勤簿、労働条件通知書、支給申請書などが必要です。詳細は申請年度の支給要領をご確認ください。
Q3. 採択率はどのくらいですか?
A. キャリアアップ助成金は競争性の高い「採択型」ではなく、要件を満たせば原則支給される制度です。ただし書類不備や要件の解釈誤りで不支給となるケースは一定数あります。
Q4. 入金時期はいつ頃ですか?
A. 支給申請から支給決定・入金まで3〜4か月程度かかるのが一般的です。正社員化開始から第1期入金までは合計9〜10か月、第2期まで受給する場合は1年半前後を見込んでください。
Q5. 不支給だった場合はどうなりますか?
A. 不支給通知に対して審査請求を行うことが可能です。書類不備が原因の場合は、是正して再申請できるケースもあります。判断に迷う場合は、補助金の申請代行に強い社労士比較から専門家にご相談ください。
年度ごとに改定があるため、申請前に必ず公式情報を確認してください。
監修:池田 吉孝(外国人介護人材支援講師)
最終確認日:2026-05-14
公式情報源:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000133765.html